第69回日本伝統工芸展
大雨のなか、日本橋三越へでかけた。
日本伝統工芸展は年に一度開催される日本工芸の公募展。会場の日本橋三越本店では7部門500点余りの作品を観ることができた。
7つの部門-陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸-ごとに入選作品が展示されている。蒔絵や螺鈿(らでん)に魅かれて漆芸部門をゆっくり鑑賞した。なかでも印象に残った作品は蒔絵箱「凜花」(まきえばこ「りんか」)、金色の背景に椿が表されていた。
花は甘いピンク色、葉はしっかりとした黒色。花、葉ひとつひとつに表情があった。背景の金色は太陽の光に見える。華やかで温かみのある漆の作品だった。
漆の入選作は作家の方の優れた技で自然の草花や樹木、波や水、太陽や月の光などが美しく表現されているものが多く、観ていると作品に描かれた世界へ引きこまれるような思いになった。
他にも陶磁器、木竹工、布、金工、七宝、ガラス作品などを観た。ひとつのかたちになるまでたくさんの時間をかけているのだと思う。丁寧な仕事、いったいどうやって造っているのか私には見当がつかないが、ただ日本の工芸の技術がすばらしいことは間違いない。
工芸作家の方の優れた技と、美しい作品に感激した。雨のなか来てよかった。また来年も訪れたい。